2021.05.04 17:0720210505所感もう10年前の話である。小学校の頃からの友人が突然、この世を去った。その報せは共通の友人からもたらされた。なんとも遠回りな伝達経路なのだが、彼の父親は死んだ友人と同じ某自動車メーカーのグループ企業に勤めていたらしく、何千人?もいる従業員の誰かが亡くなると掲示板だか何かに貼り出されるらしい。伝聞でしかなく記憶も曖昧で正確なことは言えないが、父親からその報せを聞いた彼は、その夜、言葉を詰まらせながら私に電話をくれたのである。その段階で本当にその友人なのか私自身の中で真偽を計りかねていたので、私はその友人の携帯に電話をかけた。何かの間違いであってほしい。いや、きっと間違いなのだ。長い長いコールのあと、その友人とは異なる声の持ち主が電話口に現れたので、その瞬間...